H様(40代男性)肌荒れ(アトピー性皮膚炎のような症状)(*漢方薬メイン)
【症状】R2年、1月来院。1か月ぐらい前からひどい。全身にかゆみが出るが、特にひどいのは腕、足の関節、首回り、背中。去年の夏が一番ひどく、汗をかくような状態になると皮膚(肌)が赤くボコッと腫れていた。今でも湯船に少し長くつかるとそのような症状が出るので、シャワーで済ませている。また落屑(皮膚からパラパラ落ちる細かい白いクズのようなもの)も多く、皮膚がパリパリ、チカチカする。
【経過】1年半ぐらい前からひどくなっている、とのことで、「改善には少し時間がかかりますよ」ということを最初にお伝えして、とりあえず粉薬から始めました。どんな病でもそうですが、慢性症状だと改善に少し時間がかかるのは普通です、逆に言えば、急性の症状であれば漢方薬でも即効性があって早く効きます(治ります)。
加えて、「お酒が好き」ということだったので、少なめにするようにアドバイスしました。特にこの方の場合、舌👅に苔がベットリついていたので、体の水はけ(水分代謝)の問題があるのは間違いなかったことがあります。また、お酒は身体の「熱」を多くするものなので、痒みや肌の状態を悪化させるため控えてもらいました。
2週間後に「まだあまり症状が変わらない」ということでしたので、粉薬と同じ処方の煎じ薬をおすすめして、飲んでもらうことにしました。以前も書いたように、粉薬はインスタントコーヒーと同じで、水分を蒸発させ固める過程で必要な成分も飛んでいるので、効果が半減すると言われていますし、実際効きが違います。結果、「少し痒みが良いような気がする」ということで、煎じ薬を続けてもらって約1か月、変化を体感できるように。漢方薬も状態に応じて微妙に変えながら、現在は痒みも減り、肌のパリパリ・ガサガサの状態も以前に比べるとずいぶん良くなってきました。
ちなみにこの方の場合は、本当は鍼が怖いというかあまりお好きでないようでしたが、「効くのならやってみようか」ということで一度試していただくことに。されてみて、痒みが落ち着くという体験をして頂き、時々仕方なく?(笑)治療に来られています。鍼灸治療は「脾虚肝実証」で、水分代謝を良くし肝の巡りを良くし、熱の停滞を発散させるようなツボを選んで治療しています。